歌が上手くなりたい!でも続かないで挫折しちゃう ・・・無理なく継続する練習方法とは?

どんなに素晴らしい練習メソッドを採用しても、完璧な練習計画を立てても、それを継続して行わなければ全く意味がありません。

また、お仕事や勉強でなかなか忙しくて時間が取れない方などは、時間が取れた時にまとめてがっつり長時間練習する方もいらっしゃるかもしれませんが、実はこれもお勧めできません。何故でしょうか?

例えば、実は人間は何かを学んでいる最中よりも、休憩中に学んだ内容が脳に定着するといわれています(筋トレと同じですね。筋肉もトレーニング後休んでいる間に生成されるのです)。

人間は脳の構造上、一度で習得できる容量が限られているため、どんなに何時間練習しても、それが長期的に継続して行える(理想は毎日)ものでない限り、あまり身につきません。なので、断続的に休みを入れながら時間を区切って練習をする方が、長時間ぶっとおして(あるいはまとめて)練習するよりもはるかに効率がいいのです。

今回の記事では、ボーカル講師山岡緑直伝のそんな技術の一部を3つ、ご紹介いたします!

目次

まずはルーティン化を目指す!

気分がノらなくても、なんとなく体調がすぐれなくても、なんのストレスもなく続けられている行動ってなんでしょうか?
私がこれをきいて真っ先に思いつくのは「歯磨き」です。朝起きたりごはんを食べたあとは、自然に歯磨きに身体が動く方も多いでしょうし、めんどくさいけど、寝る前に歯を磨かなきゃな~。と、疲れていても歯を磨く方も多いと思います。

山岡緑の目指す「習慣(ルーティン)化」とは、こういうことです。つまり、モチベーションどうこうでもなく、体調どうこうですらない。気付いたらなんとなくやってしまうし、やらないと落ち着かない。これが、習慣なのです。

うまくなるため、プロになるための練習、というと毎日何時間もピアノの前に座って疲れて力つきるまで練習・・・とか、そういった根性論での練習を考えちゃう方が多いのではないでしょうか。結論から言うと、その方法は絶対に長くは続かない上に、習熟度からみても効率がよくありません。

まず、1日5分から。練習の時間をとってみましょう。ここでの課題は「継続を身に着ける」ことなので、練習の内容は、最初は自分の好きなもので大丈夫です。好きな曲の練習でも、高い音の発声練習でもなんでもOK。

ただし、必ず毎日、同じ時間帯に実施ましょう。気付いたらその時間になれば自動的に声を出している自分に気づくと思います。こうなればしめたもの!理想的な練習ルーティンの第一歩が完成です。

それからは、5分から7分、10分、15分、30分・・・ちょっとずつちょっとずつのレべルで、練習時間をのばしていきましょう。まずはあせらず、ゆっくりと、です!

練習メニューを細分化する

練習は曲を長時間やみくもに歌っていてもなかなか上達しません。大事なことは、「今の時点で自分に足りない要素は何か。」をしっかりと把握すること。そしてその点を改善・強化するメニューを組むことです。

まずは紙でもスマホのメモでもいいので(紙に書いた方が頭に残るのでおすすめ)、自分の歌を録音して聴いて、直したいな・・・と思う箇所を細かく書いてみてください。多分たくさんみつかると思います。笑
そのうえで、特に改善したい項目を、まずは1つに絞りましょう。ここで絶対欲張ってはだめです!多くても3つまでにしましょう。

例えばここでは強化ポイントが「スウィング・リズム」だったとします。そうしたら、そのスウィングリズムを改善できそうな練習法を考えます。最初はネットで検索した方法をとりあえず採用してみるのでも、先生や音楽に詳しい人に聞いてみるのも構いません。

ただし、ここで大事なのは必要な練習を自分でピックアップこと。自分で練習法を採用することで、上達に必要不可欠な達成感が高まります。

実は、一週間分の練習を1日でまとめて5時間行うより、10~15分の練習を毎日行った方が、はるかに習得率が高いです。
(また、物理的に5時間も歌を練習すると喉が疲労してしまいますしね。。。)

まずは毎日でも実行可能な練習プランを、1日5分でもいいので、立ててみましょう。物足りない、と思うかもしれませんが、慣れてない方は、5分でも毎日継続することは案外難しいものです。

なお、慣れてくると、5分、10分、と長くしていくことができますが、1つのコンセプト練習をあまり長い時間やりすぎるのも、実は効率がよくありません。1つのコンセプトは最大15~20分までにしておきましょう。

小さな練習メニューをつなげていく

1つのコンセプト練習が習慣化できたな、と感じたら、少しずつコンセプトの種類を増やしてみてください。
ほかのメニューは、先の項目で書いた「自分の歌を聴いて自分に足りないと感じたもの」リストを参考にしてつくるとよいです!

たとえば、スイングリズムの練習習慣は定着したから、今度は音程(ピッチ)の練習をやってみよう・・・など。新しいコンセプトに取り組む際は、また5分からはじめてみましょう。

こうやって、1つ2つと練習コンセプトを増やしていくとやがて自分だけの練習メニューが完成します。このメニューは、ミュージシャンにとっての宝物になるのです!そのうち1時間でも2時間でも、苦も無く練習できるようになり、無理をしなくても自然に上達していくことができます。だって習慣ですから☆

最後に

「続けられる」ということは、無理に気負わなくても、自然に体がその行動に向かう、ということです。意思の力だけで、長時間の練習を毎日継続できる人は、この世にそう多くありません。上達が早い方、学習がうまい方は、みんな自分の身の丈にに合った「スタイル」を確立しているので、無理に自分を鼓舞して練習しているのではなく、身体が自然に練習に向かうのです。

成長するということは、今までできなかったことが、自然にできるようになること。(そう、まるで歯を磨くように、です!)成功する人とは、そうやって常に新しい課題を発見し、それにむかって自分のペースで進んでいける人のことなんです。

先生にいわれたから、この方法が良いって聞いたから、上手くなりたければいちにち2時間練習しろっていわれたから。。。もちろん、周りからのアドバイスをきくことはとても有益なことですが、大事なのはそれが本当に自分の身の丈にあっているか、つまり続けられるかを取捨選択することです。

無理なく、習慣として音楽を日々の生活にくみこんでみましょう!
まずは1日5分の鼻歌から!

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この記事を書いた人

東京音楽大学卒業。同大学院修了。
声楽を豊田千恵子氏、水野賢司氏および
加納里美両氏に師事。
在学中からクラシック、ジャズ、アイルランド音楽、シャンソン、創作音楽など枠にとらわれず、様々なジャンルの音楽で活動。
関西シャンソンコンクール グランプリ受賞。浜松シャンソンコンクール ドゥジエーム・プリ受賞。
現在はジャズミュージシャンとして関東を中心に活動中。最近は筋トレをしながらの歌練習にハマっている。

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